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ニュースレター

公開買付制度・大量保有報告制度等に係る金融商品取引法の改正法の成立(公開買付制度編)

NO&T Corporate Legal Update コーポレートニュースレター

著者等
田村優畑中弓佳(共著)
出版社
長島・大野・常松法律事務所
書籍名・掲載誌
NO&T Corporate Legal Update ~コーポレートニュースレター~ No.33(2024年6月)
業務分野
キーワード
※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。

はじめに

 日本の公開買付制度は1971年に、大量保有報告制度は1990年にそれぞれ導入され、その後の市場の変化等を踏まえて改正が行われてきたものの、2006年以降、大きな改正は行われていない状況であり、近時の資本市場における環境変化に伴い、様々な課題が指摘されておりました。これを受けて、金融審議会において、近時の資本市場における環境変化を踏まえ、市場の透明性・公正性の確保や、企業と投資家との間の建設的な対話の促進等の観点から、公開買付制度・大量保有報告制度等のあり方について諮問がなされ、2023年6月から2023年12月まで、公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ(以下「本WG」といいます。)において公開買付制度・大量保有報告制度等のあり方について検討がなされました。かかる検討を踏まえて、2023年12月25日に公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ報告※1(以下「本報告」といいます。)が公表されています。

 今般、本報告を受けて、2024年3月15日に金融商品取引法の一部を改正する法律案が2024年の通常国会に提出され、2024年5月15日に参院本会議にてかかる改正法(以下「本改正法」といいます。)が成立しました※2。本改正法による改正については、現行の制度に対する大きな改正も含まれており、今後の公開買付制度及び大量保有報告制度の実務に大きな影響を及ぼすものと考えられます。本ニュースレターは、本改正法のうち、公開買付制度に係る部分について、今後、金融商品取引法施行令・内閣府令・Q&A等に委ねられることとなる点にも触れながら、その内容をご紹介するものです。

 なお、本改正法のうち公開買付制度に係る部分については、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されることとなっています。

本改正法の概要

 本改正法において改正された主要なポイントは以下のとおりです。

現行法 本改正法
対象取引の拡大 市場内取引(立会内)は公開買付規制の対象外
→市場内取引(立会内)で、買付け等の後の株券等所有割合が3分の1を超える場合であっても公開買付けは不要
市場内取引(立会内)も公開買付規制の対象に含める
閾値の引下げ 市場外取引やToSTNeT取引等で買付け等の後の株券等所有割合が3分の1を超える場合には公開買付けが必要(いわゆる3分の1ルール) 公開買付けが必要となる閾値を「3分の1」から「30%」に引下げ
急速な買付け規制の廃止 市場外取引との組み合わせにより買付け等の後の株券等所有割合が3分の1を超える一定の取引については公開買付けが必要(いわゆる急速な買付け規制) 急速な買付け規制は廃止
閾値間取引 既に株券等所有割合が50%超である者が、3分の2に至らない範囲で市場外で買付け等を行う場合には、多数の者(61日間で10名超)からの買付け等でない限り、3分の1ルールの適用対象外 現行法上の閾値間取引に加え、既に株券等所有割合が30%を超えている者が、一定の場合に公開買付けなしで買付け等を行える仕組みを新たに追加
公開買付説明書の簡素化 公開買付けに応募しようとする株主に対して、公開買付届出書とほぼ同様の内容の公開買付説明書を交付することが必要 公開買付届出書を参照すべき旨を記載することによって、公開買付説明書の内容を簡素化する仕組みを追加

 本改正法における改正では、上記のとおり、①市場内取引(立会内)についても公開買付規制の対象となることや、②公開買付けが強制される株券等所有割合の閾値を3分の1から30%に引き下げることなど重要な改正が含まれます。上記各点については、下記の「本改正法の主要なポイント」にて詳細を補足いたします。

本改正法の主要なポイント

1. 対象取引の拡大

 現行の公開買付制度上、①多数の者(61日間で10名超)から市場外で株券等の買付け等を行い、買付け等の後の株券等所有割合が5%超となる場合に公開買付けの実施を義務付ける規制(いわゆる5%ルール)や②(少数の者からの買付け等を含め)市場外での株券等の買付け等であって、買付け等の後の株券等所有割合が3分の1超となる場合に公開買付けの実施を義務付ける規制(いわゆる3分の1ルール)等が存在しますが、市場内取引(立会内)は、一定の透明性・公正性が担保されているとの考え方に基づき、5%ルールや3分の1ルールの適用対象とされておりませんでした。

 もっとも、近時は市場内取引(立会内)を通じて議決権の3分の1超を短期間のうちに取得する事例も見受けられ、そのような会社支配権に重大な影響を及ぼし得る取引について、投資判断に必要な情報・時間が一般株主に十分に与えられていないといった問題が指摘されており、近時裁判所においても、市場内買集めについて強圧性の問題が指摘されていたところでした※3

 そこで、かかる背景事情をもとに、本改正法においては、市場内取引(立会内)についても新たに3分の1ルールの適用対象とされました※4(なお、下記「2. 3分の1ルールの閾値」に記載のとおり、本改正法では「3分の1」の閾値は「30%」に変更されているため、以下本改正法との関連では「30%ルール」といいます。)。他方で、5%ルールについては、(少なくとも本改正法の文言からは)従前と同様の内容が維持されており、本改正法上も市場内取引は5%ルールの適用対象とはされておりません。

 なお、現行法上、ToSTNeT取引等の市場内取引(立会外)については、市場内取引であるため、5%ルールの適用対象ではない一方で、相対取引に類似する性格を有することから、3分の1ルールの潜脱を防止するため、3分の1ルールの適用対象とされております。本改正法では、市場内取引(立会内)が公開買付規制の対象となったことに伴いToSTNeT取引等の市場内取引(立会外)に関する条文も整理されましたが、ToSTNeT取引等の市場内取引(立会外)について5%ルールは適用されず、30%ルールの適用対象となる点において本改正法と現行法で実質的な差異はありません※5

 以上を図示すると、(下記「2. 3分の1ルールの閾値」に記載する点を含め)新たに規制対象となった部分は以下の赤字のとおりです。

 なお、現行法上、株券等所有割合が3分の1を超える者が、他者の公開買付期間中において、5%を超える株券等の買付け等を行う場合に公開買付けが強制される規制が存在しましたが、これは3分の1ルールの適用対象とされない市場内取引(立会内)での買付け等を想定した規制であることから、本改正法で市場内取引全般が30%ルールの適用対象となったことに伴い、かかる規制は廃止されました※7

2. 3分の1ルールの閾値

 上記のとおり、現行の公開買付制度上、いわゆる3分の1ルールにより、市場外取引やToSTNeT取引等で買付け等の後の株券等所有割合が3分の1を超えるような場合には、公開買付けによることが義務付けられています。これは「3分の1」という数値が、株主総会の特別決議を阻止できる基本的な割合であること等が背景にあると言われています。もっとも、①日本の上場会社における議決権行使割合※8を勘案すると、30%の議決権を有していれば、実際には株主総会の特別決議を阻止することができ、また、会社によっては株主総会の普通決議にも重大な影響を及ぼし得ること、及び、②諸外国の公開買付制度上も公開買付けの実施が義務付けられる閾値を30%としている例が多いことに鑑み、本改正法において、3分の1ルールの閾値は30%に引き下げられました※9

3. 急速な買付け規制の廃止

 現行の公開買付規制上、以下の要件を満たす買付けを行う場合には公開買付けによらなければならないという急速な買付け規制が存在しますが、本改正法ではかかる規制は廃止されました※10

<「急速な買付け」規制の要件>

  1. 3ヶ月以内に10%超の株券等の取得(新株発行による第三者割当、市場内取引(立会内)、公開買付け、適用除外買付け等を含む)を行い、
  2. ①の中に市場外取引又は市場内取引(立会外)による5%超の株券等の買付け(公開買付け及び適用除外買付け等を除く)が含まれる場合であって、かつ、
  3. 取得後の株券等所有割合が3分の1超となる場合

 急速な買付け規制は、脱法的な態様での取引(典型的には、32%まで市場外で取得し、その後、市場内取引(立会内)で2%取得するような取引)に対応するための規制であり、本来公開買付けが強制されるべき取引(上記②の要件)を公開買付けが強制されない取引と組み合わせること(上記①の要件)によって3分の1ルールを潜脱すること(上記③の要件)を禁止するものとなります。市場内取引(立会内)が30%ルールの適用対象となるとすれば、例えば、29%まで市場外で取得し、その後市場内取引(立会内)で2%取得するような取引は、急速な買付け規制によらずとも公開買付けが強制されることになることから、急速な買付け規制を維持する必要性は限定的となります。他方で、依然として、30%ルールの適用のない新株発行による第三者割当や適用除外買付けとの組み合わせは想定されるため、急速な買付け規制自体は維持する実益もあるとの見方も存在したところでした※11

 急速な買付け規制が廃止されることに伴い、例えば、(a)大株主から市場外相対取引※12で29%を取得した直後に、公開買付けを実施し、買付け等の後の株券等所有割合が30%超となる更なる買い増しを実施する場合、(b)大株主から市場外相対取引で29%を取得した直後に、新株発行により株券等所有割合が30%超となる取得をする場合、(c)大株主から市場外相対取引で29%を取得した直後に、適用除外買付け等(典型的には1年以上継続して形式的特別関係者であるものからの買付け等)により株券等所有割合が30%超となる買付け等をする場合など、従前急速な買付け規制により禁止されていた類型の取引について明示的な規制はないこととなります。もっとも、本改正法により急速な買付け規制が廃止されたとしても、実質的に一体と認められる複数の取引を実施する場合に公開買付規制の潜脱とならないかについては、具体的な状況に応じて今後も検討が必要になる可能性があるように思われます。

4. 閾値間取引

 現行制度上、既に株券等所有割合が50%超である者が、3分の2に至らない範囲で市場外取引を通じて買付け等を行う場合には、多数の者(61日間で10名超)からの買付け等でない限り、3分の1ルールの適用除外となりますが、既に株券等所有割合が3分の1超である者が、50%超に至らない範囲で市場外取引を通じて買付けを行う場合には、3分の1ルールの適用除外とされていません。市場内取引(立会内)が30%ルールの適用対象とされるのであれば、既に株券等所有割合30%超である者が市場内で若干の追加取得を行うことも禁止されることとなりますが、このような閾値間の取引について常に公開買付けの実施を義務付けると制度の目的に照らして過剰な規制となってしまうとの意見もあり、本改正法においては一定の場合の閾値間取引を許容する仕組みが新設されています。

 具体的には、本改正法の30%ルールにおいて、既に株券等所有割合が30%を超えている場合のうち、以下の要件を満たす株券等の買付け等が30%ルールの対象外とされています※13

  • A)  買付け等を行う株券等の数又は買付け等の価格の総額が著しく少ない場合として政令で定める場合に該当し、かつ、
  • B)  当該株券等の買付け等の後における株券等所有割合が政令で定める割合以上とならないもの
  • C)  但し、「特定市場外買付け等」※14に該当しないものに限る

 上記のC)の「特定市場外買付け等」は5%ルールに用いられている概念であり、実質的に5%ルールに抵触しないことを要件とする趣旨と考えられますが、A)~C)の具体的な内容は政令で定められることとなっており、どのような閾値間取引が許容されるかは、今後の金融商品取引法施行令等の改正に委ねられます。

5. 公開買付説明書の簡素化

 現行法上、公開買付者は、公開買付けに応募しようとする株主に対して、公開買付説明書を交付する義務を負うところ、当該公開買付説明書の内容は公開買付届出書とほぼ同様の内容となっており、その効果に比して当該公開買付説明書の交付・訂正に関する事務が負担となっていることが指摘されておりました。

 そこで、本改正法では、「公開買付説明書に記載すべき事項のうち、公開買付届出書に記載された事項…について、公開買付届出書を参照すべき旨及び投資者が当該公開買付届出書に記載された事項を閲覧するために必要な事項として内閣府令で定める事項を公開買付説明書に記載した場合には、公開買付説明書に当該公開買付届出書に記載された事項の記載をしたものとみなす。」※15との条項が追記され、公開買付届出書を参照すべき旨を記載することによって、公開買付説明書の内容を簡素化できることとなりました。

 また、現行法上、公開買付届出書が訂正された場合には、公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している者に対して、訂正した公開買付説明書を交付しなければならないこととされており、一定の実務上の負担となっていましたが、本改正法では、「投資者の投資判断に及ぼす影響が軽微なものとして内閣府令に定める場合」には公開買付説明書の訂正等を不要とする改正がなされており※16、公開買付説明書の内容が簡素化されることに伴い、公開買付説明書の訂正についても、一定の簡素化がなされるものと思われますが、詳細は今後の内閣府令の改正に委ねられます。

今後の金融商品取引法の施行令・内閣府令・Q&A等に委ねられるポイント

 本WGの議論やそれを受けた本報告での提言内容は、欧州型の公開買付制度※17を導入すべきかといった根本的な検討課題から技術的な検討課題まで多岐に亘りましたが、本改正法において具体的に対応がなされた事項はその一部に過ぎません。上記のとおり本改正法において一定の対応がなされているものについても、その具体的な内容は今後の金融商品取引法施行令・内閣府令等の改正に委ねられている部分がありますが、本改正法において特段の対応がなされていない事項については、そもそも何らかの対応がされるのか、それとも見送りとなるのか、対応がされるとしたらどのような内容になるのかは、今後の金融商品取引法施行令・内閣府令等の改正により明らかになるものと思われます。本報告において何らかの対応を求める提言がなされているものの、本改正法において明らかとなっていない事項は、主として以下のとおりです。

検討課題 本報告での提言内容の要旨
強圧性の問題を巡る対応
  1. 部分買付け(上限を付した公開買付け)については、公開買付け後の少数株主との利益相反構造に対する対応等について説明責任を果たさせるべき
  2. 全部買付けについても、任意に追加応募期間を設けることができるよう制度を整備するべき※18
金融商品取引業者等による顧客からの買付け等 金融商品取引業者等が顧客から自己勘定で行う買付け等のうち、以下のような取引については5%ルールの適用対象とならないことを明確化すべき

  1. 単元未満株式の買付け等
  2. 機関投資家等の顧客からの買付け等であって、その後直ちに売却することを予定しているもの
公開買付制度の柔軟化・運用体制 実態に即しない画一的な運用を避けるため、個別事案ごとに例外的な取扱いを許容する制度を設けるとともに、それを可能とするために当局の体制を強化すべき
公開買付けの予告 当局のガイドライン等をもって公開買付けの予告を行う際の開示のあり方(公開買付けを行うための前提条件や開始予定時期の明示、公表後の進捗状況に関する開示等)を整備すべき
その他の課題
  1. 価格差を設けた公開買付けでも一度で行えるようにすべき
  2. 異なる種類の株券等の価格の均一性について法令上明確化すべき
  3. 事前相談における当局の対応方針を明確化すべき
  4. 公開買付期間中に対象会社が配当を実施した場合、公開買付価格の引下げを可能とすべき
  5. 公開買付けの撤回事由を拡充すべき
  6. 「買付け等」の範囲を可能な範囲で法令上明確化すべき
  7. 公開買付届出書の記載事項を見直すべき

最後に

 上記のとおり、本改正法のうち公開買付制度に係る部分については、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されることとなっておりますが、今後の金融商品取引法施行令・内閣府令・Q&A等の改正において明らかになる事項も多く残されており、これらの改正を待って施行されることとなると推測されます。今後の改正動向については引き続き注目されるため、本ニュースレターにおいても、随時アップデートを行う予定です。

脚注一覧

※3
東京機械製作所事案(東京高決令和3年11月9日)では、「抗告人らは、TOBの適用対象外である市場内取引における株式取得を通じて、株券等所有割合が3分の1を超える株式を短期間のうちに買収しており、このような買収行為は、一般株主からすると、投資判断に必要な情報と時間が十分に与えられず、買収者による経営支配権の取得によって会社の企業価値がき損される可能性があると考えれば、そのリスクを回避する行動をとりがちであり、それだけ一般株主に対する売却への動機付けないし売却へ向けた圧力(強圧性)を持つものと認められる。」と指摘されています。

※4
改正後金融商品取引法第27条の2第1項第1号

※5
ToSTNeT取引等を対象とした取引(現行の金融商品取引法第27条の2第1項第3号)は削除され、改正後金融商品取引法第27条の2第1項第1号の30%ルールに統合される形で規定がなされました。

※6
なお、現行法上、買付け等の後の株券等所有割合が3分の2以上となる場合には、公開買付けに上限を付すことができない(いわゆる全部買付義務)などの規制が存在しますが、本改正法においてこの点に変更はありません。

※7
改正後金融商品取引法第27条の2第1項においては、同制度を定めた現行の金融商品取引法第27条の2第1項第5号が削除されています。

※8
中央値・平均値は概ね60%前後、プライム市場においては中央値・平均値は概ね70%前後とのデータがあります(第2回 金融審議会公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ資料 事務局説明資料17頁、同参考資料8頁)。

※9
改正後金融商品取引法第27条の2第1項第1号

※10
改正後金融商品取引法第27条の2第1項においては、急速な買付けを定めた現行の金融商品取引法第27条の2第1項第4号が削除されています。

※11
本WG内の議論でも、市場内取引(立会内)が30%ルールの適用対象となるとすれば、急速な買付け規制を維持する必要性が乏しいのではないかという意見もありましたが、本報告での提言としては、急速な買付け規制を廃止すべきというものではありませんでしたので、その後の立法過程における議論において変更された形となります。

※12
但し、適用除外買付け等(典型的には1年以上継続して形式的特別関係者であるものからの買付け等)を除きます。本文(b)(c)においても同じです。

※13
改正後金融商品取引法第27条の2第1項

※14
「特定市場外買付け等」とは、「取引所金融商品市場外における株券等の買付け等(取引所金融商品市場における有価証券の売買等に準ずるものとして政令で定める取引による株券等の買付け等及び著しく少数の者から買付け等を行うものとして政令で定める場合における株券等の買付け等を除く。)」をいいます。

※15
改正後金融商品取引法第27条の9第2項

※16
改正後金融商品取引法第27条の9第4項

※17
欧州の公開買付制度は、日本の公開買付制度とは異なり、買付者による閾値を超える議決権の取得自体について方法の制限はなく、閾値を超える議決権を取得した場合には、その後、すべての株主に対して公開買付けを実施することを要求する事後的な規制となっています。事後的規制の点以外にも、市場内取引・第三者割当も規制対象である点、全部買付・全部勧誘が義務付けられる点(部分買付けが原則禁止される点)、最低価格規制が存在する点など、日本の公開買付制度と異なります。本報告においては直ちに欧州型の制度に移行すべきとの結論には至らず、引き続き検討を重ねていくべきとの提言に留まりました。

※18
具体的には、本WGにおいて、公開買付期間を①通常の応募期間と②追加応募期間に分け、①で公開買付けの成立が確定した場合には、①で応募した株主は②の追加応募期間中に応募を撤回することができない制度が議論されていました。もっとも、②の追加応募期間中に応募を撤回することができないようにするためには、応募株主等による契約の解除について定めた金融商品取引法第27条の12第1項の改正が必要となると思われる一方、本改正法ではこの点の改正は含まれていないことから、この部分の改正は見送りになったものと思われます。

本ニュースレターは、各位のご参考のために一般的な情報を簡潔に提供することを目的としたものであり、当事務所の法的アドバイスを構成するものではありません。また見解に亘る部分は執筆者の個人的見解であり当事務所の見解ではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。個別具体的事案に係る問題については、必ず弁護士にご相談ください。


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