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ニュースレター

11条指針の解説を踏まえた内部通報制度の整備と実効性向上

NO&T Compliance Legal Update 危機管理・コンプライアンスニュースレター

著者等
深水大輔松本晃(共著)
出版社
長島・大野・常松法律事務所
書籍名・掲載誌
NO&T Compliance Law Update ~企業不祥事・コンプライアンスニュースレター~ 第58号(2021年12月)
業務分野
キーワード
※本ニュースレターは情報提供目的で作成されており、法的助言ではありませんのでご留意ください。また、本ニュースレターは発行日(作成日)時点の情報に基づいており、その時点後の情報は反映されておりません。特に、速報の場合には、その性格上、現状の解釈・慣行と異なる場合がありますので、ご留意ください。

はじめに

 国内外で実効的な内部通報制度を整備する必要性がますます高まっています。国内では、2020年6月8日に成立した「公益通報者保護法の一部を改正する法律」(以下「改正法」といいます。)が2022年6月までに施行となる予定であり、海外でも、欧州連合(EU)において2019年12月に公益通報者保護指令が発効され、EU加盟国は2021年12月17日までに本指令を具体化する国内法を整備することが要求されています※1

 これに対し、最近でもある企業において内部通報者が特定され、報復を受けたとされる事案が発生する※2等、内部通報制度への信頼性を大きく損なう事案が起きていることも踏まえると、多くの企業が自社の内部通報制度の実効性について課題意識を持っているのではないかと思われます。

 2021年10月13日、消費者庁が、公益通報者保護法に基づく指針の解説(以下「本解説」といいます。)を公表しました※3。本解説は、同年8月20日に消費者庁により公表された、公益通報者保護法に基づく指針※4(以下「11条指針」といいます。)を具体化し、事業者が11条指針に沿った内部通報制度を整備するにあたり参考となる考え方や想定される具体例等を提示するものであり、各事業者の内部通報制度整備に一層有益なものといえます。

 そこで、本稿では、本解説の内容で留意すべきポイント※5を押さえた上で、最近の議論を踏まえた内部通報制度の実効性向上の方策について概説します。

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