主旨
この裁判例紹介では、近時公表された裁判例のうち、ビジネス上参考となりそうなものについて、事案の概要と判決・決定の要旨をご紹介するとともに、各関連分野を専門的に取り扱っている弁護士が簡潔な解説を行います。各記事は、短時間で目を通せる程度の文字数に収めています。定期的に新しい裁判例を追加してまいりますので、継続的にご確認いただくと、主要な最新裁判例を限られた時間内でフォローいただくことができます。
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裁判例紹介一覧
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NEW
会社法(善管注意義務) 掲載日:2023年3月6日 ベトナム進出に関する準備作業を一時中止すべき注意義務があったにもかかわらず、ベトナムにおける製品生産のための機械を発注・購入したことについて、当該発注・購入を行った代表取締役の善管注意義務違反が認められた事例
東京高判 -
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インサイダー取引規制 掲載日:2023年3月1日 他社との業務上の提携の決定後、従業員が従業員持株会への拠出金を増額した行為について、重要事実を自己の職務について知ったとまでは認められないとして、インサイダー取引に対する課徴金納付命令を取り消した事例
東京地判
(平成31年(行ウ)第36号、37号) -
労働契約法
掲載日:2023年1月12日
高度な専門性を有する役職として高額の待遇で採用された従業員の職位が経営上の理由により廃止されたことを理由とする解雇について、整理解雇の要件を充足するとして当該解雇が有効とされた事例
東京地判 -
民法(損害賠償)
掲載日:2023年1月12日
発行体SPCが調達資金を診療報酬債権等の買取り以外の目的に支出したことにより償還不能となったレセプト債について、発行体SPCから会計事務を受託していた会計事務所及び当該レセプト債を販売した証券会社の損害賠償責任が否定された事例
金沢地判 -
会社法(善管注意義務)
掲載日:2022年12月29日
詐欺行為により金銭を騙し取られた会社の取締役に対し、株主代表訴訟が提起されたものの、取締役の任務懈怠責任が否定された事例
大阪地判 -
インサイダー取引規制
掲載日:2022年12月29日
会社の創業者であり代表取締役である者が他社との業務提携を行うことについての決定をした旨の重要事実を知りながら株式を買い付けたと認定された課徴金納付命令について、業務提携の決定が認定された時点までに当該決定がなされたとは認められないとして当該納付命令が取り消された事例
原審:東京地判
控訴審:東京高判 -
著作権法
掲載日:2022年11月16日
音楽教室における楽曲の使用(演奏)のうち、生徒による演奏行為については演奏権の侵害が成立しないとされた事例
最判 -
買収防衛策
掲載日:2022年11月14日
株主総会で承認された買収防衛策の対抗措置発動が差し止められた事例
最二小決
原審:大阪高決
原々審:大阪地決
基本事件:大阪地決 -
事業再生・倒産
掲載日:2022年8月26日
期限前弁済を受けた破産債権者の代表取締役が善管注意義務に違反したものとして破産管財人に対し会社法429条1項の責任を負うとされた事例
東京地判 -
商標権
掲載日:2022年8月26日
オンラインフリーマーケットサービス上に開設した販売サイトにおいて、他者の保有する登録商標と同一ないし類似の標章を、いわゆるハッシュタグとして表示する行為につき、商標的使用にあたるなどの理由で商標権侵害が認められた事例
大阪地判 -
民法(損害賠償)
掲載日:2022年8月3日
不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金は民法405条の適用又は類推適用により元本に組み入れることができないと判示した事例
最三小判(令和2年(受)第1518号) -
特許法
掲載日:2022年7月21日
特許共有者間の差止請求・損害賠償請求及び持分の剥奪が認められた事例
知財高判(中間判決)
知財高判(終局判決)(平成29年(ネ)第10049号) -
会社法(新株発行)
掲載日:2022年5月26日
公開会社による支配株主の変更を伴う第三者割当増資について、総株主の議決権の10分の1以上の議決権を有する株主が反対する旨を会社に対し通知したにもかかわらず、会社法206条の2第4項ただし書に該当するとして同項に定める株主総会決議(特定引受人承認決議)を経ないままされた新株発行が、無効と判断された事例
東京地判 -
不祥事調査
掲載日:2022年8月1日
会社が設置した取締役責任調査委員会の委員として調査を実施した弁護士が、その後に調査対象者であった元取締役に対する損害賠償請求事件において同社を代理し、訴訟行為を行うことが弁護士法25条2号及び4号の趣旨に反するとして、当該弁護士の訴訟行為を排除した事例(関西電力取締役責任調査委員排除決定事件)
控訴審:大阪高決
上告審:最一小決 -
株主総会
掲載日:2022年3月13日
事前に賛成の議決権行使を行っていた株主が株主総会当日に議場で投じた白票を、議長が賛成票と扱うことで承認された株式交換契約承認決議について、決議取消事由があるとして申し立てられた株式交換の仮の差止めが、理由がないとして却下された事例
最二小決 -
不正競争防止法(品質等誤認表示)
掲載日:2022年3月16日
八ッ橋を製造販売する会社が、その創業年又は八ッ橋の製造開始年が元禄2年(1689年)であるとの記載を含む表示を暖簾・看板等の営業表示物件に付する行為について、平成30年改正前の不正競争防止法2条1項14号(現行法では同項20号)の品質等誤認表示に該当しないとされた事例
大阪高裁(令和2年(ネ)1568号) -
会社役員責任
掲載日:2022年2月15日
監査役は、計算書類等の監査を行うに当たり、会計帳簿が信頼性を欠くものであることが明らかでない場合であっても、計算書類等に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認しさえすれば、常にその任務を尽くしたといえるものではないとした事例
最二小決(令和元年(受)第1968号) -
国際裁判管轄合意(民事訴訟)
掲載日:2022年2月4日
平成23年法律第36号の施行前に締結された契約における米国カルフォルニア州裁判所を専属的管轄裁判所とする合意について、一定の法律関係に基づく訴えを定めるものとして有効とした事例
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証拠(民事訴訟)
掲載日:2022年2月4日
電気通信事業に従事する者及びその職を退いた者は、民訴法197条1項2号の類推適用により、職務上知り得た事実で黙秘すべきものについて証言を拒むことができるとされた事例
電気通信事業者は、その管理する電気通信設備を用いて送信された通信の送信者の特定に資する氏名、住所等の情報で黙秘の義務が免除されていないものが記載され、又は記録された文書又は準文書について、当該通信の内容にかかわらず、検証の目的として提示する義務を負わないとされた事例
最一小決(令和2年(許)第10号) -
外国判決(民事訴訟)
掲載日:2022年2月4日
民事訴訟法118条3号の要件を具備しない懲罰的損害賠償を命ずる部分が含まれる外国判決について、当該外国において一部弁済がなされた場合において、当該一部弁済を懲罰的損害賠償部分に係る債権に充当されたものとして執行判決をすることができないと判断された事例
最三小判(令和2年(受)第170号、令和2年(オ)第135号)