当事務所のファウンダーの一人であり2016年まで当事務所で弁護士として執務していました長島安治弁護士が本年11月18日に永眠いたしましたので、謹んでお知らせいたします(享年98)。
なお、葬儀等はご家族にて既に済ませておりますが、ご家族のご意向も踏まえ、当事務所で長島弁護士から直接・間接にご指導を受けた弁護士・職員(OB、OGを含みます)によるお別れの会を追って開催する予定です。
1926年6月22日に福島県で生まれる。東京都千駄ヶ谷で育ち、太平洋戦争の最中である1943年に陸軍予科士官学校に入学し、翌年航空士官学校に進む。空襲激化により本土での訓練が困難になったために飛行訓練のために配属された満州にて終戦を迎える。終戦後は1946年に東京大学法学部に入学し、卒業後は三菱化成工業株式会社(現三菱ケミカル株式会社)に入社して文書課に配属される。その後司法修習生(5期)となり、1953年弁護士登録(第一東京弁護士会所属)、所沢道夫法律事務所に入所。1961年、大野義夫弁護士ら4名の弁護士のパートナーシップとして所沢・長島法律事務所を設立(後に長島・大野法律事務所に改称)。1961年から3年間、フォード財団が支援する司法研修所の留学制度に応募して選ばれ米国に留学。ハーバード・ロースクールにてLL.M.(法学修士)を取得し、ボストン及びニューヨークの法律事務所にて米国の法律実務や米国ローファームの有り様を学ぶ。1964年に帰国後、当時準会員系(外国系)の法律事務所が独占していた渉外法務に日本の法律事務所として参入し、数々の著名な取引や紛争事件で卓越した成果を上げ国際的な評価を得る。事務所経営ではマネージング・パートナーとして抜群のリーダーシップを発揮し、米国で得た知見をもとに事務所の大規模化、組織化、専門化を進め、当事務所の礎を築いた。1996年、自らが主導して制定した事務所の定年制度に従って当事務所のパートナーを退任。その後もオフ・カウンセル及び顧問として弁護士実務と後進の指導を続け、2016年に当事務所を退所した。事務所外では、多くの会社の社外役員を務めるとともに、ハーバード・ロースクールやイエール・ロースクールで客員教授や講師を務めた。