
梶原啓 Kei Kajiwara
アソシエイト
シンガポール
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インドにおいては、仲裁判断の執行の障壁となり得る過去の裁判例など、仲裁地としての同国の選択を躊躇させる要素が散見されたが、近時はその印象を払拭する一定の仲裁法制や裁判例の進展がみられる。その新たな動きの1つに位置付けられるのが、インド最高裁判所の2021年8月6日付け判決(以下、「本判決」)である。本判決は、シンガポール国際仲裁センター(SIAC)の仲裁規則に基づき仲裁廷構成前に選任された緊急仲裁人による緊急仲裁判断(仲裁地はインド国内)はインド裁判所において執行可能と判示した。本判決が否定した逆の立場によれば、緊急仲裁人制度の実効性、ひいては同制度を設ける機関仲裁の魅力が損われるおそれがあった。特に、迅速な事件処理に期待して訴訟ではなく仲裁を選択したとしても本案の判断までに時間がかかる複雑大規模紛争においては、緊急仲裁という選択肢は重要であり、この論点の波及効果は大きい。インド仲裁法の文言上は両様の解釈の余地があるこの論点について、仲裁制度の根幹である当事者自治に立ち戻りつつ解釈を明確にした本判決は注目に値する。
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