佐々木修 Shu Sasaki
パートナー
東京
NO&T Finance Law Update 金融かわら版
2022年4月22日に上場会社等の非公開情報等に関する情報授受規制(いわゆる銀証ファイアーウォール規制)の見直しに関する内閣府令及び監督指針等の改正案(以下「本改正」といいます。)のパブリックコメントの結果が公表され※1、本改正は2022年6月22日に施行されました。本改正は、2021年6月に公表された金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」第二次報告※2(以下「市場WG第二次報告書」といいます。)を受けたものとなっており、本改正により、上場企業等を対象としてホームページ等を用いた簡素なオプトアウト制度が許容されるなど、銀証ファイアーウォール規制の緩和がなされました。
一方で、市場WG第二次報告書においても指摘されるように、銀証ファイアーウォール規制の緩和に伴う弊害防止措置の実効性を強化するため、金融商品取引業等に関する内閣府令(以下「金商業等府令」といいます。)に一部改正が加えられ、また、「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」(以下「金商業者等指針」といいます。)及び「主要行等向けの総合的な監督指針」(以下「主要行等指針」といい、金商業者等指針と併せて「監督指針」といいます。)においても、以下の観点からの改正がなされています※3。
本ニュースレターでは、銀証ファイアーウォール規制の緩和について簡単にまとめた上で、上記①から③までの弊害防止策の主要な点について解説します。
銀証ファイアーウォール規制は、顧客情報の適切な管理、利益相反取引の防止、優越的地位の濫用防止等を目的とした規制であり、金融商品取引法において主に銀行・証券会社間における顧客の非公開情報等の共有禁止等が定められています(金融商品取引法44条の3第1項4号、金商業等府令153条1項7号等)。銀証ファイアーウォール規制に関しては、銀証一体の付加価値の高いサービス提供を阻害しているといった理由から長年にわたり規制緩和要望が行われてきましたが※4、市場WG第二次報告書においては、顧客に対する高度な金融サービスの提供の必要性等を踏まえ大胆な見直しを行うことが適当との提言がなされました※5。この提言を受け、本改正においては、大要以下のような規制緩和がなされました。
なお、「市場制度ワーキング・グループ」においては、銀証ファイアーウォール規制に関して、中堅・中小企業や個人顧客に関する情報共有、外務員の二重登録禁止規制や引受関係の諸規制の撤廃についても議論がなされましたが、市場WG第二次報告書では、これらについては継続協議となりました※6。
銀証ファイアーウォール規制により、内部管理等の一部の例外的な場面を除けば、証券会社などの有価証券関連業を行う第一種金融商品取引業者が親子法人等に対して非公開情報※7を共有するためには、原則として書面又は電磁的記録による事前同意を得る必要があります(オプトイン、金商業等府令153条1項7号イ)。この例外として、個別通知を行って非公開情報の提供の停止を求める機会を提供することにより、顧客から当該停止の求めがあるまでは同意を受けたものとみなすという従来型のオプトアウト制度も存在しました(金商業等府令153条2項)。
もっとも、この従来型のオプトアウトは、金商業者等指針において手続の詳細が定められており※8、顧客に対する説明事項が多い等、負担や利便性の観点からオプトインと大差がない等の理由から、実務上、必ずしも積極的に活用されていないという問題がありました。
このような問題意識から、手続を簡素化した新たなオプトアウト制度が導入されました。具体的には、本改正により金商業等府令153条1項7号ヌが規定され、上場企業等の一定の発行者等のオプトアウトの求めに応じて非公開情報の提供を停止することとしている場合であって、その旨について、「あらかじめ、当該発行者等が容易に知り得る状態に置いているとき」には、当該発行者等からオプトアウトの求めがあるまでの間、事前の同意を得ることなく、非公開情報の共有が可能となりました。なお、この「あらかじめ、当該発行者等が容易に知り得る状態に置いているとき」の要件については、ホームページへの常時掲載が金商業者等指針において例示されているため※9、実務上は、ウェブサイトへの掲載が主流になるものと思われますが、ホームページに掲載してから、非共有情報の提供を開始するまでには一定期間を空ける必要がある点※10など、金商業者等指針Ⅳ-3-1-4(2)に規定される監督上の着眼点には留意する必要があります。
また、従来型のオプトアウトと異なり、新たなオプトアウト制度の対象にできるのは、「上場企業等」に限られる点にも留意が必要です。「上場企業等」とは、金商業等府令123条1項18号ト(1)から(4)に規定される者をいい、大要以下のとおりです。
なお、今回の改正による新たなオプトアウト制度は、既に顧客から取得した同意に影響を及ぼすものではなく、従来からのオプトアウト制度との併用も可能です。金融機関は、各々の実態に合わせて、どのような方法で非公開情報の共有をすべきかを検討する必要があります。
従来、オプトインに関して、電磁的方法により同意を取得するためには、事前承諾が必要とされていました(旧金商業等府令155条)。本改正により、金商業等府令155条は削除され、また、金商業等府令153条1項7号イにおいて同意の取得方法に電磁的記録が追加されたため、金融機関は、事前承諾なく、電子メールやタブレットなどの電磁的方法で同意を取得することができるようになりました。
ホームベースルールとは、銀行・証券会社間の兼職において、非公開情報を用いて業務を行う部門を兼職している役職員は、いずれか一方の管理する非公開情報にしかアクセスできない旨の規制をいいます(旧金商業者等指針Ⅳ-3-1-4(2)⑥イ)。この規制は、兼職をしている役職員を通じて非共有情報が共有されやすいことに鑑みて、役職員の兼職規制が緩和された際に規定されたものですが、市場WG第二次報告書において、「事前予防的措置である情報授受規制の更なる事前規制であるとも考えられることから、役職員の兼職規制の見直しの趣旨が確保されるよう、本規制の撤廃を行うことが適当」との提言がなされ、本改正により撤廃されることになりました。これにより、銀行と証券会社を兼職する役職員は、どちらの非公開情報に対してもアクセスすることが可能になります。
もっとも、注意が必要なのは、ホームベースルールが撤廃されても、銀証ファイアーウォール規制を引き続き遵守しなければならないという点です。すなわち、銀行と証券会社を兼職する役職員は、いずれの非公開情報にもアクセス可能ですが、これは銀行が保有する非公開情報は銀行業務のために、証券会社が保有する非公開情報は証券会社の業務に活用することを前提としたものであり、例えば、銀行が保有する非公開情報を証券会社の業務に活用したり、銀行の保有する非公開情報を兼職者でない証券会社の役職員に伝達したりするためには、上記(1)で記載したようにオプトインやオプトアウト等の適切な対応をとる必要があります。なお、金商業者等指針Ⅳ-3-1-4(4)⑥においては、「兼職者が新たに非公開情報を取得した場合、当該兼職者のいずれの兼職先の法人等において取得した非公開情報として取り扱うか、取得に至った経緯や顧客の認識を踏まえ、適切に判定するものとする。」といった着眼点も規定されており、兼職者である役職員による非公開情報の取り扱いには十分な検討が必要です※11。
本改正により、金商業等府令117条1項16号が改正され、従来は、証券会社などの有価証券関連業を行う第一種金融商品取引業者又はその役職員の禁止行為として規定されていた法人関係情報※12に基づく自己売買等が、登録金融機関である銀行に対しても適用されることとなりました。
後述する態勢整備とは異なり、金商業等府令117条1項16号は行為規制であり、また、同号に基づく自己売買等の禁止は、必ずしも登録金融機関業務のみに限定されない旨のパブリックコメント回答がなされている点に留意が必要です※13。
Need to Know原則とは、顧客等に関する情報へのアクセス及びその利用は業務遂行上の必要性※14のある役職員に限定されるべきという原則をいいます※15。従前から欧米金融機関や一部の国内金融機関においては既にNeed to Know原則に基づいた情報管理がなされていましたが、市場WG第二次報告書を受け※16、監督指針に明記されました。なお、Need to Know原則の適用対象である「顧客等に関する情報」は、法人関係情報のみならず、顧客に関する情報を含む概念として定義されており※17、後述する法人関係情報に対する規律よりも適用範囲が広い点に留意する必要があります※18。また、Need to Know原則は、後述するチャイニーズウォールと異なり、社内の異なる部門間のみならず、社内の同一の部門内や社外に対する情報共有の際にも適用がある点にも留意が必要です。
Need to Know原則は、プリンシプルベースの監督上の留意点であり※19、Need to Know原則を踏まえ、具体的にどのような態勢整備を行うかは、第一義的には、各金融機関が業務の内容や規模等に応じて自ら検証すべきものと考えられます。ただし、監督指針上、以下のような点に関しては、Need to Know原則を踏まえるべき旨が明示されている点に留意する必要があります※20。
チャイニーズウォールとは、情報管理のための組織上、物理上又はシステム上の障壁をいい、インサイダー取引等の不公正な取引を防止するために、プライベート部門※21とパブリック部門※22の間に構築される障壁をいいます。Need to Know原則と同じく、市場WG第二次報告書を受け、欧米金融機関等の実務に倣う形で、監督指針に規定されたもので、金融機関は、チャイニーズウォールを設ける等の法人関係情報を利用したインサイダー取引等の不公正な取引を防止するための適切な措置を講じる必要があります。前述のNeed to Know原則が広く「顧客等に関する情報」に適用され、社内の同一部門内、社内の異なる部門間、さらには社外への情報共有と広範な場面で適用されるものであるのに対し、チャイニーズウォールは、社内の異なる部門間での法人関係情報の遮断を目的とするものという違いがあります。
また、チャイニーズウォールの例外として、ウォールクロスを行う場合においては、情報共有を行った各部門の役職員の氏名、日付、関連銘柄等を記録し、コンプライアンス部門の事前承認を要する等、法人関係情報の不正利用を実効的に防止する観点から必要となる手続を具体的に定める必要があります。
実務において、チャイニーズウォールの設置を検討する際には、どの程度「部門」を細かく分けるか、どの部門をプライベート部門、パブリック部門と位置づけるか、ウォールクロスの手続をどうするか等、判断に悩む場合も少なくないと思われますが、パブリックコメントにおいては、業務の実態や、併せて講じられる他の措置の実効性の程度等を考慮可能である旨が示唆されており、法人関係情報を利用したインサイダー取引等の不公正な取引の防止という趣旨に立ち返って判断すべきものと考えられます※23。
市場WG第二次報告書を受け※24、利益相反管理態勢についても金商業者等指針及び主要行等指針に以下のような着眼点が追加されました。
これらの着眼点は、利益相反管理態勢の一般論であるため、銀証連携の場面に限らず適用されるものと考えられます※31。今回追加された着眼点自体は、既存の実務に整合的なものであり、必ずしも金融機関の負担を加重するものではないものと思われますが、金融機関は、今回の改正を契機として、既に構築されている利益相反管理態勢を見直す必要がないかを検討することが望ましいものと考えられます。
優越的地位の濫用防止態勢についても、金商業者等指針及び主要行等指針に以下のような着眼点が追加されました※32。
これらの着眼点は金融機関における既存の実務を意識したものと思われ、利益相反管理態勢の整備と同様に、必ずしも金融機関の負担を過重するものではないものと思われます。もっとも、従来、明確化されていなかった優越的地位の濫用に関する当局の考え方の一部を示すものであり、実務においてはこれらの規定を意識した態勢を構築すべきであると考えられます。
なお、2022事務年度の金融行政方針においては、「なお、銀証間のファイアーウォール規制の緩和を踏まえ、新設の「優越的地位の濫用防止に係る情報収集窓口」に寄せられる情報等を活用しつつ、優越的地位の濫用に関する防止態勢を重点的に検証する。」と記載されており、優越的地位の濫用防止に対して重点的なモニタリングが実施される旨が示唆されている点には留意すべきものと思われます※33。
各弊害防止策の具体化においては悩ましい点もあるものと思われますが、いずれの弊害防止策も顧客の利益を守るために重要なものです。金融機関は自らの業務実態を踏まえて実効的な弊害防止策を検証・実践していく必要があり、当局による監督との関係でも、かかる検証と実践ができているかを問われることになるものと思われます。
※1
2022年4月22日金融庁「「金融商品取引業等に関する内閣府令及び金融サービス仲介業者等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)」等に対するパブリックコメントの結果等について」(https://www.fsa.go.jp/news/r3/shouken/20220422/20220422.html)
※2
2021年6月18日金融庁「金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」第二次報告の公表について」(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20210618.html)
※3
なお、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」についても主要行等指針と同内容の改正がなされています。
※4
例えば、2019年度分の内閣府規制改革ホットラインの金融庁回答受付番号311028031
※5
市場WG第二次報告書23頁
※6
なお、2022年6月22日公表の市場制度ワーキング・グループ中間整理においては、外務員の二重登録禁止規制については、「責任の所在が不明確になることの問題点や、そのような誤認防止措置が考えられるか等の論点について検討を行う必要があり、その見直しの必要性を含め、今後更に議論を行う必要がある」とされ、また、中堅・中小企業や個人顧客に対する規制の見直しについては、「スタートアップを含む中堅・中小企業の資金調達の円滑化等に資するかといった観点も踏まえつつ、引き続き検討を行っていくことが考えられる」と整理されており、これらの問題は引き続き金融審議会で議論されていくこととされています。
(リンク先6頁参照:https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20220622/houkoku.pdf)
※7
非公開情報とは、「発行者である会社の運営、業務若しくは財産に関する公表されていない重要な情報であって顧客の投資判断(法第二条第八項第十一号ロに規定する投資判断をいう。第十六条の五の二第三号、第二百三十三条の二第一項第四号及び第二百四十六条の十第三項第三号を除き、以下同じ。)に影響を及ぼすと認められるもの又は自己若しくはその親法人等若しくは子法人等の役員(役員が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)若しくは使用人が職務上知り得た顧客の有価証券の売買その他の取引等に係る注文の動向その他の特別の情報(これらの情報のうち外国法人(法人でない外国の団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)に係るものを除く。)」をいいます(金商業等府令1条4項12号)。
※8
金商業者等指針Ⅳ-3-1-4(1)
※9
金商業者等指針Ⅳ-3-1-4(2)①において、「例えば、上記の各事項について店舗での常時掲示及びホームページへの常時掲載を行っている場合等がこれに該当すると考えられる。」と規定されています。なお、「店舗での常時掲示及びホームページへの常時掲載」と規定されており、ウェブサイト上のみならず、店舗での掲示も必須であるかのようにも読めますが、本改正に係るパブリックコメントでは、「また、例示として定められている「店舗での常時掲示及びホームページへの常時掲載を行っている場合等」との記載は、「店頭での常時掲示」と「ホームページへの常時掲載」を必ず同時に行うことを求める趣旨ではなく、「上場企業等が容易に知り得る状態」にある限りにおいてホームページへの常時掲載のみとすることも妨げられないとの理解でよいか。」との質問に対して、「貴見のとおりと考えられます。」との回答がなされており、ウェブサイト上での掲載のみで足りる場合もある旨が示唆されています(上記脚注1リンク先別紙1 No.13参照)。
※10
金商業者等指針Ⅳ-3-1-4(2)③においては、「上場企業等が、そのオプトアウトに応じて非公開情報の提供が停止されることとなっている旨について、あらかじめ容易に知り得る状態に置かれてから、親子法人等との間で当該上場企業等に係る非公開情報の授受を開始するまでの間に、当該上場企業等がオプトアウトするか否かを判断するために必要な期間を確保しているか。」と規定されています。また、この「必要な期間」に関しては個別事例ごとに実態に即して判断されるべきですが、本改正に係るパブリックコメントにおいて、「例えば1ヶ月程度とすることも考えられます。」との回答がなされている点は、実務上、一定の参考になるものと思われます(上記脚注1リンク先別紙1 No.9参照)。
※11
なお、パブリックコメントでは、「貴見のとおり、証券会社等又は非公開情報の授受を行う親子法人等において、複数の法人等の営業部門その他の非公開情報を用いて業務を行う部門の役職員としての立場を有する役職員が、一の法人等の立場で非共有情報を受領し認識したことをもって直ちに他の法人等が当該非共有情報を受領したり、利用したりしたとみなされるものではありません。」との解釈が示されており、例えば、銀行の非公開情報を兼職者が受領したからといって、直ちに証券会社への非公開情報の共有が行われたと評価されるわけではありません(上記脚注1リンク先別紙1 No.46参照)。ただし、これは銀行の非公開情報を銀行の役職員の立場で取得しているとの整理が可能であることを前提にしているものであり、当該パブリックコメントをもって兼職者に対してあらゆる情報共有が可能になると解釈することはできないものと思われます。
※12
法人関係情報とは、「法第百六十三条第一項に規定する上場会社等の運営、業務又は財産に関する公表されていない重要な情報であって顧客の投資判断に影響を及ぼすと認められるもの並びに法第二十七条の二第一項に規定する公開買付け(同項本文の規定の適用を受ける場合に限る。)、これに準ずる株券等(同項に規定する株券等をいう。)の買集め及び法第二十七条の二十二の二第一項に規定する公開買付け(同項本文の規定の適用を受ける場合に限る。)の実施又は中止の決定(法第百六十七条第二項ただし書に規定する基準に該当するものを除く。)に係る公表されていない情報」をいいます(金商業等府令1条4項14号)。
※13
上記脚注1リンク先別紙1 No.60参照
※14
どのような場合に「業務遂行上の必要性」があると判断すべきなのかは、実務上は悩ましい面もありますが、パブリックコメントにおいて、「例えば、顧客との間で特別な定めのない限り、情報を入手した当該案件の遂行のためのほか、顧客の利益に資すると考えられる他のサービスを遂行する目的も含まれ得るとの理解でよいか。」との質問に対し、「Need to Know 原則における「業務遂行上の必要性」は、顧客の利益・目的・意思(同意の有無を含みます。)、業務内容等に鑑み、正当な必要性が認められるか否かを踏まえ、個別事例ごとに実態に即して実質的に判断されるべきものと考えられ、かかる正当な必要性が認められる限りでご質問のような目的が含まれ得ることは否定されません。」との回答がなされており、諸要素を踏まえて一定程度柔軟な運用が許容され得る旨が示唆されていることは、一定の参考になるものと思われます(上記脚注1リンク先別紙1 No.63)。
※15
金商業者等指針Ⅲ-2-4(1)①、主要行等指針Ⅲ-3-3-3-2(1)①
※16
「法人関係情報以外の顧客情報も含めた“Need to know”原則に基づく情報管理の徹底の必要性等、監督指針等において具体的に示していくことが適当である」との指摘がなされています(市場WG第二次報告書26頁)。
※17
金商業者等指針Ⅲ-2-4、主要行等指針Ⅲ-3-3-3-1
※18
なお、銀証連携に限らず、全ての「顧客等に関する情報へのアクセス及びその利用」に関してNeed to Know原則は適用されます(上記脚注1リンク先別紙1 No.67)。
※19
上記脚注1リンク先別紙1 No.62参照
※20
金商業者等指針Ⅲ-2-4(1)①から③、主要行等指針Ⅲ-3-3-3-2(1)①から③
※21
監督指針上、「営業部門のうち、恒常的に法人関係情報を取得することが想定される部門」と定義されています。
※22
監督指針上、「営業部門のうち、プライベート部門以外の部門をいい、例えば、有価証券の売買その他の取引等の勧誘やその取引の媒介・取次ぎ・代理を行う部門や、自己取引又は委託取引の執行を行う部門などが考えられる」と規定されています。
※23
上記脚注1リンク先別紙1 No.77以下参照
※24
「2008年の利益相反取引防止のための体制整備義務の導入以降、国内金融機関の利益相反管理に係る体制整備は一定の進展が見られている。今後は利益相反管理の運用実務面での更なる実効性の確保を促すことが重要であり、例えば、当局のモニタリングにおいて、利益相反管理のあり方について金融機関と対話を積み重ねることを通じて、適切な利益相反管理の実効性を高めていくことが適当である。具体的には、監督指針において、利益相反のリスクが高いと指摘される典型的なケースを具体的に例示した上で、主に以下の内容を新たに規定し、モニタリングの強化を通じて、利益相反管理の実効性の確保を促していくべきと考えられる。」(市場WG第二次報告書26頁)
※25
金商業者等指針Ⅳ-1-3(2)①(注)において、銀証連携を念頭においた「利益相反のおそれのある取引」の例示がなされています。また、主要行等指針Ⅴ-5-2(1)①(注)では、金商業者等指針Ⅳ-1-3(2)①を参照すべき旨が規定されています。
※26
金商業者等指針Ⅳ-1-3(3)③、主要行等指針Ⅴ-5-2(2)③
※27
金商業者等指針Ⅳ-1-3(5)①、主要行等指針Ⅴ-5-2(3)①
※28
金商業者等指針Ⅳ-1-3(5)⑤、主要行等指針Ⅴ-5-2(3)⑤
※29
金商業者等指針Ⅳ-1-3(5)⑦、主要行等指針Ⅴ-5-2(3)⑦
※30
金商業者等指針Ⅳ-1-3(5)⑧、主要行等指針Ⅴ-5-2(3)⑧
※31
上記脚注1リンク先別紙1 No.126参照
※32
金商業者等指針Ⅳ-3-1-4(6)、主要行等指針Ⅴ-3-3-6(3)②参照。なお、上記の顧客情報管理や利益相反管理と異なり、優越的地位の濫用防止に関しては、監督指針上、「銀証ファイアーウォール規制の緩和に伴う優越的地位の濫用の防止について」という表題になっており、優越的地位の濫用一般ではなく、あくまでも銀証連携の場面に限った着眼点であるものと思われますが、銀証連携以外の場面においても当てはまる記載内容があり、他の取引においてもこれらの着眼点を一定程度参考にし得るものと思われます。
※33
2022年8月31日公表「2022事務年度 金融行政方針」9頁参照:https://www.fsa.go.jp/news/r4/20220831/220831_main.pdf
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