東崎賢治 Kenji Tosaki
パートナー
東京
NO&T IP Law Update 知的財産法ニュースレター
ニュースレター
Update: A Second Court Decision addressing Patent Linkage and Unfair Competition(2025年4月)
パテントリンケージ制度における特許権者の情報提供についての不正競争の成否に関する2件の東京地裁決定(2025年4月)
日本のパテントリンケージ制度に関し、バイオ後続品(バイオテクノロジー応用医薬品(先行バイオ医薬品)と同等・同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品。バイオシミラー(biosimilar)、BSとも呼ばれます。)の承認手続において、特許権者が「医薬品特許情報報告票」に特許権侵害の成否に関する意見を記載して厚生労働省(厚労省)に提出した行為につき、バイオ後続品メーカーが、特許権者(先行バイオ医薬品メーカー)に対し、不正競争防止法(以下「不競法」といいます。)2条1項21号の「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知……する行為」に該当するとして、同法3条1項に基づき、当該行為の差止めの仮処分の申立てを行った2件の紛争について、令和6年10月及び12月、東京地方裁判所(東京地裁)がそれぞれ、異なる判断枠組みを用いて判断し、バイオ後続品メーカーの申立てを却下したことについては、知的財産法ニュースレター No.29「パテントリンケージ制度における特許権者の情報提供についての不正競争の成否に関する2件の東京地裁決定」でご紹介したとおりです(東京地裁令和6年10月28日決定・令和6年(ヨ)第30029号※1(以下「第1事件決定」といい、当該決定に係る事件を「第1事件」といいます。)、東京地裁令和6年12月16日決定・令和6年(ヨ)第30028号※2(以下「第2事件決定」といい、当該決定に係る事件を「第2事件」といいます。))※3。
バイオ後続品メーカーは、東京地裁の決定を不服として、即時抗告をしたところ、知的財産高等裁判所(知財高裁)第1部(本多知成裁判長)は、令和7年8月13日、第2事件についての抗告を棄却しました(知財高裁令和7年8月13日決定・令和7年(ラ)第10003号※4(以下「第2事件抗告審決定」といいます。))。
また、ニュースレター No.29でもご紹介したとおり、日本のパテントリンケージ制度は、平成6年10月4日付け「承認審査に係る医薬品特許情報の取扱いについて」、及び平成21年6月5日付け「医療用後発医薬品の薬事法上の承認審査及び薬価収載に係る医薬品特許の取扱いについて」(いわゆる「二課長通知」です。)という2通の通知に基づいて運用されていましたが、令和7年10月8日付け「医療用後発医薬品及びバイオ後続品に関する医薬品医療機器等法上の承認審査及び薬価収載に係る医薬品特許の取扱いについて」(以下「令和7年通知」といいます。)※5は、二課長通知等の既存の通知を同日付けで廃止し、パテントリンケージ制度がバイオ後続品を対象とすることを明示すると共に、後発医薬品等に係る医薬品特許の取扱いを明確化しました。本ニュースレターでは、第2事件抗告審決定の概要をご紹介すると共に、東京地裁の2決定の判断枠組みとの比較及び令和7年通知も踏まえた今後の実務への影響について簡単に検討します※6。
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